<趣旨>バイオロジクスとは,遺伝子,タンパク質,細胞や組織など生体由来の製品,あるいは生物の機能を利用して製造した製品のことである。遺伝子組換えタンパク質や再生組織などだけでなく,有用物質や材料にまでその考えを拡げると従来の工業とは異なる産業の可能性や方向性が見えてくる。今回は,わが国のバイオロジクスの最先端で活躍されている方々にその課題と戦略,そして展望を紹介していただく。 |
主 催 |
高分子学会 行事委員会 |
協 賛 |
(予定)日本化学会 |
会 期 |
4月23日(金)10 : 20~17 : 20 |
会 場 |
東京工業大学 百年記念館フェライト会議室(3階)(東京都目黒区大岡山2-12-1 TEL: 03-3726-1111) |
交 通 |
東急目黒線・東急大井町線 大岡山駅下車 徒歩約1分 http://www.titech.ac.jp/access-and-campusmap/j/o-okayama-campus-j.html |
講 演 |
<10 : 20~12 : 20> |
- バイオロジクスの将来展望と課題
(国立医薬食品衛生研)早川堯夫 20世紀後半のバイオテクノロジー関連技術の発展とそれによって集積された生命関連情報を背景に21世紀では遺伝子・タンパク質・細胞等の生体由来物質(バイオロジクス)製品の開発が活発化するであろう。しかし,その応用には,品質・有効性・安全性について適切な評価が必要である。バイオロジクス製品の開発と規制の両方について情報提供いただき,バイオロジクス製品の適切な開発の方向を示していただく。
- トランスジェニックカイコの作出と有用物質の生産
(農業生物資源研)田村俊樹 動く遺伝子トランスポゾンを利用して,目的に応じた外来遺伝子を組み込んだトランスジェニックカイコを作出した。このトランスジェニックカイコは絹糸腺で外来遺伝子を発現させ,繭糸中に組換えタンパク質として分泌させることができる。トランスジェニックカイコを用いた組換えタンパク質発現系は,有用タンパク質生産の手段として有望であり,これまでにヒトコラーゲンやインターフェロンを繭の一部として生産させることに成功している。この技術は安全な医療用タンパク質を大量に供給できる技術としても注目される。
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<13 : 10~17 : 20> |
- 遺伝子組換えタンパク質による創薬-ピキア酵母による遺伝子組換えアンチトロンビンの産生-
(三菱ウエルファーマ)広瀬正明 われわれはピキア酵母による遺伝子組換えアルブミンの大量生産に成功したが,現在,糖タンパク質の高効率発現の基礎的検討を行っている。組換えアンチトロンビン発現研究を例に,解決すべき問題点と課題を紹介する。
- バクテリア表層化学改変法を用いたバクテリア製剤の開発
(北大院工)貞許礼子 生きたバクテリアの細胞壁表面に機能性物質を提示させる手法について紹介する。細胞壁の人工前駆体を培地に添加してバクテリアを培養すると,前駆体が細胞壁生合成経路に取り込まれ,バクテリア表面の細胞壁に提示される。この手法により,乳酸菌などの有用細菌表面への抗原や薬剤分子の提示が可能となり,腸管粘膜をターゲットとした経口ワクチンやドラッグデリバリー担体の開発につながる新しい技術として期待される。
- バイオロジクスを支える高分子ナノ材料-人工シャペロン-
(東京医科歯科大)秋吉一成 多糖に少数の疎水性分子を付けると大きさ30ナノメートルのゲルができる。このゲルは,疎水基の会合によって構造が緩やかに保たれているため,その編み目構造が伸縮する世界初の動的ナノゲルである。このナノゲルにはタンパク質を伸びた編み目を通して内部に取り込み凝集を防ぎ,薬品・光などの外部刺激によってタンパク質を再生,放出させる機能(人工シャペロン機能)があるため,ポストゲノム時代において期待の高い新材料である。
- バイオマテルアルによる角膜再生技術による治療
(阪大医)西田幸二 熱により表面性状を可逆的に変化させるバイオマテリアルにより細胞シートをその機能を損なうことなく脱着・回収させることに成功。さらに,細胞シートの積層化や特異シグナルの利用,3次元培養法によってバイオマテリアルと細胞の界面を巧みに利用し,組織・器官の構築化の新手法が可能となった。本講演では,このバイオマテリアルを実際に医療現場にて角膜再生技術として治療に利用している講師にその現状と展望を述べていただく。
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参加要領 |
1) 定員100名 2) 参加費 (1)会社21,000円 (2)大学・官公庁10,500円 (3)学生・ゴールド・シルバー3,150円 (4)年会費制登録団体※1 a) 会社16,800円 b) 大学・官公庁8,400円(※1 詳細はhttp://www.spsj.or.jp/c18/nenkaihisei_main.htmlをご覧ください)3) 申込方法 申込方法 こちらをダウンロードして記入し,FAXまたは郵送にて送付ください。開催約1カ月前より参加証,請求書を送付いたしますので,請求書到着後,4月末日までに必ずご送金ください。 |
申込先 |
高分子学会 04-1ポリマーフロンティア21係 |